阿波手漉き和紙研修・その4

 煮熟を終えたら、本来は蒸して、
その後あく抜きをするのだけど、今回はパス。
「ちり取り」という大事な工程にはいる。
この時に塵やゴミを取り残さない様にする事が
キレイな「和紙」を作る。
理事長さんいわく「塵との戦い」なのだそうだ。

 一枚一枚優しく皮をそっと広げて、節の取り残しや
色の濃い部分など、丁寧に取り除いていく。
暑い最中の水の作業は楽しい。
でも、紙漉は冬にするもの。
この作業のつらさを想像する。

 実はこの作業、皮剥の時に丁寧にしたためか
難なく終了した。
と、そのこへお客さん。
まさしく徳島は「阿波踊り」の真っ最中。
なつかしいなぁ〜阿波踊り、ホントかっこよかった!

 さてさて続けて・・・紙漉まで後一歩
「打解」の工程。
叩解とも言うが、これは繊維をすり潰す事で、
和紙ではそこまで行わない。
あくまで繊維1本1本をほぐすイメージ。

 理事長さんが青皮で見せて下さった。
実はこの作業、高知の「かみこや」さんでも
させてもらった工程だ。(この工程から)


 だんだんと「皮」の形がなくなっていく。
少し水で解きほぐした時に、キレイに攪拌されればOK。
紙漉材料作りの工程でつくづく思うのは
「おいしそう」だ。
本当に料理してるのと変わらない。

そもそも紙漉は偶然に布を作るのに、
糸をよったり洗ったりした時に
繊維がたまたま集まって絡まって乾燥して
「紙状」になったのをヒントに中国で発明されたのが
始まりじゃないか、と言われているらしい。

私としては、料理している過程で
発見されたんじゃないかと思う。繊維の発見。
煮ても煮ても残る繊維を、それこそ大昔は
品種改良もなく、頭を悩ませていたに違いない。


暑くていつ終わるとも知れない
モクモクと打解作業中、色々空想する。