□
紙漉道具について頭を悩ませる。
そんな時、高知に事務所を持つ、
「全国手漉和紙用具製作技術保存会」による
一泊二日の集まりがあり、声をかけていただいた。
まだ簀桁を触った事が1度しかなく、
しかも日本の職人さんが作っている道具なんて
見た事もないワタシには、かなりハードルが高い
というかディープすぎて難しかった。
だけれど道具を作られる方、純粋な手漉き和紙を
続けていらっしゃる方、因州和紙を始めとする
日本の「和紙」の現状を垣間見る事ができ、
大変勉強になった。
全国各地から簀桁に関わる職人さんたちが
意見や情報交換をされる貴重な集まり。
今回は鹿野町の簀職人・小幡さんの所へお邪魔した。
簀を編む道具は各地でそれぞれ少しずつ違うそうだ。
今編んでいるのは元々使われていた簀をほどいて、
使える竹ひごをよって、足りないところは
新しいひごを足しながら「編み直し」を行っている。
小幡さんは先代お母さんから受け継いで
続けていらっしゃる。この糸を巻いたボビンも
お父さんが作った手作りのもの。
こんなシンプルな道具で細かい作業を
リズミカルに編んでいく。
ひごについては、今回来られていた老夫婦さん
くらいしか今は日本で作られていないそうだ。
その為もあり、この「ひご」が高価。
現在、四国でひごづくりの後継者を育成しているそう。
簀を見ればどんな紙を漉いているのか、だいたいわかる。
細いひごは薄い紙。
簀と桁の相性をよくする事が何より大事。
簀だけではなかなか作れない、桁を見ないと。
小幡さん始め、みなさん色々と教えてくださった。
またゆっくり来てみたいと思う。
翌日は山を挟んで西隣の青谷へ。
まずは10年ほど前にできた「あおや和紙工房」
とてもりっぱな施設で驚いた。
青谷には4つの手漉き屋さんと
7つの機械漉き屋さんがある。
いろいろと道具も展示している。
・・だけど下写真の簀が問題となった・・
青谷では全国から和紙を使った明かりの
公募を毎年していて、上写真は昨年の大賞。
たしか竹野浜のイベントでも教えてもらった。
広い体験場。お金かけてるなぁ〜。
あ、こんなところに・・
小幡さんの作った簀桁が。
昨年各地で道具職人さんが、このような施設に
もっと道具の大事さや素晴らしさを知って
もらおうと、小さいサイズの簀桁を作って
寄贈したそうだ。
大事に展示されていて使われていない・・
息子さん?が後継者。ドンドン漉いていく。
広々としたと言う訳ではないけれど、
昔からの紙漉屋さんらしい、職人さんの
工房だ。ここで興味深い話しを聞いた。
今、日本に純粋な「手漉き和紙屋」が
どれほどあるか?
鳥取では紙問屋さんがハバをきかせていて
それに合わせた価格の和紙を作らねばならない。
輸入しても「和紙」。
因州和紙は残念ながら、今は無茶苦茶な状況だ。
その和紙が手漉きか機会漉きか、または
輸入物であるのかなど表示をせず、
聞かれなければ、黙っていればいい、という
考え方で紙を販売している。
ここ青谷でも同じような事はあるし、
「あおや和紙工房」は非常にもったいない。
純粋な手漉き和紙がキチンと売れなければ
キチンとした紙漉道具も昔のように購入できない。
もっともだ。
だけど、ワタシはまた悩んだ。
キチンと簀桁を作れる技術は守らなければ
ならないし、それを使ってこそ、
スバラシイと言われる「和紙」ができるのだ
とも思う。もちろん、原料にいたっても。
それはすごく高級でそれはそれで
いいんだけど、輸入物の大量生産でなく、
あくまで地域の資源や技術を使った
「あいだの紙漉」ができないのかな?
今日の話しを聞いていると、職人さんの
技術が集結した「ザ・高級和紙」か、
輸入物や機械に頼る「大量生産和紙」の
どちらかしかないように思える。
いつかは20万も30万もするような
簀桁で紙も漉いてみたい。
だけどもうしばらくは、はじめは
もうすこし手軽な地域産の道具が
ほしい。それで思う存分練習したい。
実験したい。
それって道具保存会の職人さんから見たら
邪道なもので、間違えた「和紙」の
知識になるのかも知れない。
すごく、こういうところが苦手。
本物志向というか主義というか・・
大事なのはわかるんだけど、もちろん
金儲けで邪道な道を行く訳じゃない。
親切にしてくださった、小畑さんの
技術も続いていってほしいと強く思ってる。
だけど、今すぐにワタシに小畑さんの
簀は使えない。どうしたらいいのか?
どんな「紙漉」を目指せばいいのか・・・
うだうだ考えながら、ちょうど鳥取博物館で
催されていた「ファインバーグ・コレクション展」を
見てきた。答えは見つからなかったけど、
江戸絵画を楽しんだ。
ワタシ、やっぱり扆と扇と傘を
漉いた紙で作りたい。
そんな時、高知に事務所を持つ、
「全国手漉和紙用具製作技術保存会」による
一泊二日の集まりがあり、声をかけていただいた。
まだ簀桁を触った事が1度しかなく、
しかも日本の職人さんが作っている道具なんて
見た事もないワタシには、かなりハードルが高い
というかディープすぎて難しかった。
だけれど道具を作られる方、純粋な手漉き和紙を
続けていらっしゃる方、因州和紙を始めとする
日本の「和紙」の現状を垣間見る事ができ、
大変勉強になった。
全国各地から簀桁に関わる職人さんたちが
意見や情報交換をされる貴重な集まり。
今回は鹿野町の簀職人・小幡さんの所へお邪魔した。
簀を編む道具は各地でそれぞれ少しずつ違うそうだ。
今編んでいるのは元々使われていた簀をほどいて、
使える竹ひごをよって、足りないところは
新しいひごを足しながら「編み直し」を行っている。
小幡さんは先代お母さんから受け継いで
続けていらっしゃる。この糸を巻いたボビンも
お父さんが作った手作りのもの。
こんなシンプルな道具で細かい作業を
リズミカルに編んでいく。
ひごについては、今回来られていた老夫婦さん
くらいしか今は日本で作られていないそうだ。
その為もあり、この「ひご」が高価。
現在、四国でひごづくりの後継者を育成しているそう。
簀を見ればどんな紙を漉いているのか、だいたいわかる。
細いひごは薄い紙。
簀と桁の相性をよくする事が何より大事。
簀だけではなかなか作れない、桁を見ないと。
小幡さん始め、みなさん色々と教えてくださった。
この日は久しぶりの鳥取で、美しい自然を
堪能しようと山の中で車中泊する事に。
鹿野町は小さな町だけど、温泉もあってまたゆっくり来てみたいと思う。
翌日は山を挟んで西隣の青谷へ。
まずは10年ほど前にできた「あおや和紙工房」
とてもりっぱな施設で驚いた。
青谷には4つの手漉き屋さんと
7つの機械漉き屋さんがある。
いろいろと道具も展示している。
・・だけど下写真の簀が問題となった・・
青谷では全国から和紙を使った明かりの
公募を毎年していて、上写真は昨年の大賞。
たしか竹野浜のイベントでも教えてもらった。
広い体験場。お金かけてるなぁ〜。
あ、こんなところに・・
小幡さんの作った簀桁が。
昨年各地で道具職人さんが、このような施設に
もっと道具の大事さや素晴らしさを知って
もらおうと、小さいサイズの簀桁を作って
寄贈したそうだ。
大事に展示されていて使われていない・・
場所を少し移動して、手漉き和紙職人・
長谷川さんの工房お宅へ。美しい場所だ。息子さん?が後継者。ドンドン漉いていく。
広々としたと言う訳ではないけれど、
昔からの紙漉屋さんらしい、職人さんの
工房だ。ここで興味深い話しを聞いた。
今、日本に純粋な「手漉き和紙屋」が
どれほどあるか?
鳥取では紙問屋さんがハバをきかせていて
それに合わせた価格の和紙を作らねばならない。
輸入しても「和紙」。
因州和紙は残念ながら、今は無茶苦茶な状況だ。
その和紙が手漉きか機会漉きか、または
輸入物であるのかなど表示をせず、
聞かれなければ、黙っていればいい、という
考え方で紙を販売している。
ここ青谷でも同じような事はあるし、
「あおや和紙工房」は非常にもったいない。
純粋な手漉き和紙がキチンと売れなければ
キチンとした紙漉道具も昔のように購入できない。
もっともだ。
だけど、ワタシはまた悩んだ。
キチンと簀桁を作れる技術は守らなければ
ならないし、それを使ってこそ、
スバラシイと言われる「和紙」ができるのだ
とも思う。もちろん、原料にいたっても。
それはすごく高級でそれはそれで
いいんだけど、輸入物の大量生産でなく、
あくまで地域の資源や技術を使った
「あいだの紙漉」ができないのかな?
今日の話しを聞いていると、職人さんの
技術が集結した「ザ・高級和紙」か、
輸入物や機械に頼る「大量生産和紙」の
どちらかしかないように思える。
いつかは20万も30万もするような
簀桁で紙も漉いてみたい。
だけどもうしばらくは、はじめは
もうすこし手軽な地域産の道具が
ほしい。それで思う存分練習したい。
実験したい。
それって道具保存会の職人さんから見たら
邪道なもので、間違えた「和紙」の
知識になるのかも知れない。
すごく、こういうところが苦手。
本物志向というか主義というか・・
大事なのはわかるんだけど、もちろん
金儲けで邪道な道を行く訳じゃない。
親切にしてくださった、小畑さんの
技術も続いていってほしいと強く思ってる。
だけど、今すぐにワタシに小畑さんの
簀は使えない。どうしたらいいのか?
どんな「紙漉」を目指せばいいのか・・・
うだうだ考えながら、ちょうど鳥取博物館で
催されていた「ファインバーグ・コレクション展」を
見てきた。答えは見つからなかったけど、
江戸絵画を楽しんだ。
ワタシ、やっぱり扆と扇と傘を
漉いた紙で作りたい。