\木の細胞を想像しながらヒノキ間伐材をつかう/


2月末から約3週間、昨年10月につけた作業道沿いの間伐をおこなった。
雪のない高知・黒潮町での山作業は少し寒いくらいで、気持ちの良い季節。
本数にして20本弱だけど、かかり木に悩みながらも1本1本違いを実感した伐倒、木の曲がりなど考慮して長さを決める造材、考えすぎておかしなコトになり余計に手間がかかった集材、学びがとにかく多かった。
山に入り始めて3年目、道づくりと同じように学びたいことが的を得てきた感じで、はじめのわからずやってたときよりもズンと学び速度・理解度がアップした感覚。なんだか不思議。

実習のかたわら、切り出した木は基本的に近くの木材市場に出荷し販売してもらうのだけど、切れっ端や経の小さい木など出荷しない木材を活かす方法を思案する。
ゆくゆくは木まるごと製材所や簡易製材機などで板にしたいと考えているけど、なんだかまだ少し遠い感じ。そしてチェーンソー製材も前々から検討しつつ、切り屑が多いしちょっともったいなくて保留。刃も切れる自信ない…
木材に関する専門書籍からもヒントを得ようと、高知県図書館「オーテピア」でたくさん借りてきた。

その中で1冊、木のことを科学的に記した林 知行さん著「プロでも意外に知らない”木の知識”」に惹かれる。経験値がダントツ少ないワタシにとって科学的に知る、つまり細胞さらに分子レベルからの構造や木の中で働く応力などを、まず知識として吸収することで想像が進む。
木を伐倒していても、細胞のことを考えたり、この木はどんなふうにバランスを取って生きてきたのか、と木の個性を想像する。
直接的に「木の活かし方」が書かれてるわけじゃなけど、ワタシの知りたいことにつながってくるはず。

もう1冊、林 以一さん著「木を読む―最後の江戸木挽き職人」もピンとくる。
興味を持つとなんでも直ぐにやってみたくなる性格。大鋸の古道具を探してみたり、縦引き用の目立て方法を調べてみたり… チョン掛け用のヤスリも販売されているようだし、まぁ今は、もうしばらく木挽きは寝かせておく。


ということでアレコレアレコレ考えた結果、素朴に
・ そのまま使う
・ 割る

ログハウスの素材など丸太のまんま使うと手間も少なく無駄もないのでは?と思いついて、さっそく調べてみる。どういう使い方をするにしてもまずは皮を剥いて、2年ほど寝かせて乾燥・自然応力を消失させる時間が必要らしい。
皮むき用の鉈(ドローナイフ)があるけど、まずは手持ちのナタを研いで削ってみた。
結構むける。どこまでむいていのか?
皮の下から現れる、ほのかなピンク色のきれいな木肌。
ふむふむ、コレが外樹皮、内樹皮、形成層、そして辺材。
外樹皮以外の部分が木の中では生きていた部分。
皮むきは生きていた部分を取り除いていしまうということなんだな。
節が邪魔なので、はじめにチェーンソーできれいにしてからやった方が良さそう。






もう一つの「割る」はグリーンウッドワークを調べていた時に出てきた方法で、「フロー」という道具を使う。
フローについて調べていると、いいのを発見!!
山師・炭焼き愛好会の方が自作されてるフロー
http://blog.livedoor.jp/robo_h2003/archives/4859622.html

ブログを読んでいると簡単そう?に見えるけど、技や木の目を見るレベルが違いすぎるだろうし、実際は大変だろうな、と思いながらも思い切って連絡してみた。
すごく丁寧にお返事くださって、使い方もきめ細やかに書かれていて、信用度200%。
貴重なフローを一つ購入させてもらった。
早速届いて、待ちきれずその場にあった曲がったヒノキを割ってみる。
まぁ言われた通り、元だしフローで割るには良くない部分で苦労する。
力ずくはダメだと言われていたけど、マサちゃんにも手伝ってもらってなんとか割れたー!
我が家は木の真っ直ぐで良さそうなところは市場に出荷するので、手元に残って活用させたいのは根曲がりした元の部分や、枝がいっぱいの細めの末部分。どちらもフロー向きではないけど、いろいろと工夫しながら板づくりが広がりそう。
板づくりはまるーーー◎



刃はついてない。竹ひごをつくる時のナタと一緒。
最初の切り込みさえ入れば後は刃のないところで剥いでいく。

小さめの丸太なら割りやすい。木槌?も作りたいけどひとまず棍棒。
このサイズならフローの片サイドに棒をつけた方がやりやすいかも。




左は乾燥した材で彫ったモノ。右は生木、柔らかくて彫りやすいけど繊維が荒い。


いったん、途中休憩〜!いつきても幸せ「満州軒」


受け口の下面を斜めにしてみた。倒れるまでツルがつながった状態にしたい…

結局かかり木!ちょっとのことでもウントもスントも…

くねくね偏芯?変型木


こちらも偏芯、受け口つくりにくい。



何とか倒れたものの、左側、ツル切ってる…バーの方向ミス。



作業道で寝っ転がって見ると空と木だけ、きれいだなー


集材も大変。講習で学んだことを意識してたけど、考えすぎて逆に手間取る。
6m材が操作側に突っ込んでしまった…
しかもレバーがバック(木の方)にしか動けず、やばい!
なんでこうなったんかなぁ〜の連発。


写真じゃわかりにくいけど、道の側面、
小さな石っころの周りだけが雨などで削られて
小規模カッパドキアが林立する。
おもしろい、見ていてずっとあきない。

やっと目立てに自信がついてきた今日このごろ。
土場で仕上げの造材、石に触れたのか、左側の刃のみ4つほど欠けてた…
かなしい。


40年代のヒノキたち、ワタシのすこし先輩。
良い建材になってね。





いったん間伐終了、おつかれさま会は
初!黒潮ハーブ&タイ料理の「タワンデーン」さん
タイから来られた奥様の本場の味。
化学調味料を使わない自家製ハーブたっぷりのステキなお店◎
อร่อย!ขอบคุณค่ะ


タイだけどラオス、めちゃかわいい◎


おまけ:花粉症?かもなワタシ、
木屑防止とマスクを兼ねて山用頭巾つくった。
おばあちゃんが着てた神戸まつり用の浴衣地。
おかげで?症状はほとんどでなかった〜