\米づくり40,000粒のモミから育てる/


今年も無農薬無肥料のお米づくりに挑戦。

昨年たまたまのご縁で、絶景棚田と美味しいお米で有名な香美町村岡区・板仕野集落ではじめての米づくりをさせてもらった。
[ 米づくり2020 ]
■ https://nanokurasi.blogspot.com/search/label/%E7%B1%B3%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A

初めてのこともあり、ほとんど知らない場所ということもあって精神的に大変なお米づくりだったけど、ビギナーズラックで大収穫◎
どうにかこうにか籾の状態でうまいこと保管もできている。
今年は ずっとやりたかった長須集落での米づくり。
お家はなくなっても、長須に引っ付いていたくて、帰りたくて、うれしい。
昨年の田んぼとは環境が変わるので、どうなることやら…



昨年は 浸種を終えた状態の無農薬の籾をいただいて始めたので、今年はそれまでの工程をアレコレ調べながら挑戦する。
まず保管しておいた種モミを取り出して、植える量を計算。

今年は約3畝(0.3ha)の程よいサイズの田んぼ
30m ✕ 10m
株間:30cm ✕ 20〜25cm
約5,000株
1株約5本稲を植えるので、余分を見て1株あたり7,8粒。
35,000〜40,000粒。
一粒が0.028gなので約1.12kgの籾 >> 1.2kg の籾を準備した。

籾マキまでの工程は
・選別
・消毒
・浸種
・催芽
 &
・苗用の土づくり

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4月半ば、神戸のお家を片付けるかたわらの作業。
まず【 選別 】
水 または より厳選するなら塩水につけて、浮いた分を除去する。
と思いきや、さらにその前にやることが【 脱芒 だつぼう 】
芒(のぎ、のげ)って籾に残ってる細い枝みたいな部分。
コレを取らないと水につけた時に、上手に選別できない。
そこでアレコレ調べてみると、脱芒用の機器や代用品として餅つき器が使えるらしいが買うのはチョット…
いろいろ試した結果、脱芒はあきらめる。
なので選別もあきらめる。
最初の作業からこの様子で、先行きがあやしいが…
種を蒔く時にポットに数をかぞえながら植えるので、多少の選別ができる。
そして時間もなく、早く浸種せねばならない。
すでに予定より10日ほど遅れてる。



【 消毒 】04/17
薬は使わず60℃のお湯で10分。



【 浸種 】つづけて 04/17〜
水温10〜12℃あたりで約10日間(合計で100℃になるように)
というのが一般的だけど、ある資料からは12℃5,6日が良い、とのこと。
水につけることで発芽抑制物質・アブシジン酸が溶け流れて発芽の準備ができるらしい。
結果、今年は7日間12〜14℃ほどの水道水に浸けた。

参考:
■ http://www.notodesign.jp/ateie/blog/2015/04/47.html
■ http://www.sorachi.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nkc/nansei/hakkoubutsu/syutugasassi.pdf




04/22〜23:浸種5,6日目
どうだろう?少しふっくらしてきた?
若干透明感がでるらしい。
芽が出るあたりが白い粒にみえる。






【 土づくり 】
去年は高知・中ノ川の広葉樹の山で土をとった。
今回は家の前ですぐ取れる、楽ちん。
一つ残念なのは燻炭が作れなかったこと。
籾摺り&選別を養父のトリオファームさんにお願いし、自分の籾殻が手に入らず、籾殻ももらえる予定だったんだけどタイミング合わず…
次は籾殻とりたいなぁ〜

今年は朝来JAさんで10kg約1,000円で購入
土:燻炭 は 3:1

ちなみにトリオファームさんはお米づくりのプロフェッショナルで、とてもためになる話が聞ける。
■トリオファーム
http://talliowfarm.net/





【 催芽 】04/24
コレで大丈夫なのか??と不安に思いながらも、浸種おわり。
水から上げて少し水を切って、冷蔵庫で保管。
一部は一日保温して発芽をうながす。
この保温器、実は押し花を作る弱保温のプレス機で、程よい温度に保たれてバッチリ幼芽がでる。去年この方法を発見して感動!
この方法が「催芽」ということも今年になって知った。
ハトムネのお米、プックリ感がとても愛おしい。
虫眼鏡レンズ?で撮影してみると、違う世界が見える。
籾殻の模様もホント美しいなぁ〜





【 籾まき 】04/24 〜
・200ポット 12枚(去年分 4,5粒/穴)
・200ポット 12枚(今年分  〃  )
・128ポット 20枚(今年分 7,8粒/穴)

去年の苗の様子では、200ポットで各穴に4,5粒蒔き、発芽しない種もあるので、田植えの際に一株5本ほどになるように、約2穴分をまとめて植えた。
発芽率を考えて1穴に7,8粒蒔くといいのだけど、200ポットではちょっと小さい気がする。
なので今年は実験として、去年と同じように200ポットで目標の約半分 2400株分(2穴分で1株)、穴の大きい128ポット残りの半分 2560株分(1穴分で1株)として準備する。

ポットを受けるケース、去年は高知の大量にあるキノコで使ってた青いカゴを利用した。
今年もそのつもりだったのに忘れてきてしまい、新たにプラスチック製品やモノを購入するのはイヤだし、どうしよう… と悩んでいると \ ありました /

神戸のお家片付けると山ほど100均プラスチックカゴが出てきた。
なのでケースのサイズに合わせてポットをカットして収める。
上の写真が200ポット、下が128ポット。



さ、後は発芽を待つだけ〜◎
と思いきや
待てど暮らせど生えてこない…

去年は催芽してハトムネにした種を蒔くと、その日のうちにモリモリ伸びてきて、タイムラプスが撮れたくらいだったのに…




04/27:様子を見ながら、日当たりが少しでも良さそうな斜面を開拓して苗置き場を設置。
後々困ったのが板の水平。この時点でちゃんと図って直せばよかった、反省。




【 出芽 】04/30
うーーーん、おかしい!
調べてみると、蒔いた後さらに温めて「出芽」というのをさせるらしい。
参考:「苗作りの実際」
すごく上手にまとめられていて、苗作りの一連の作業がよくわかる。
■ https://www.jeinou.com/benri/rice/2008/04/111130.html

そうか、去年の高知・中ノ川は晴れてて日当たりもよく、シート内がかなり暖かくになっていたし、逆に「山のツバル」さんが書いていたように、熱くなりすぎないように昼間は風通し良く調整していたぐらい。

朝来の山の上は気温も低く、日当たりも悪く、しかもこのところ曇り雨天気も続いてシート内も全然温度が上がらない。

そこでコンパクト火鉢を持ってきて炭をいこし、さらにアルミシート(災害用サバイバルシート)を2重して透明シートの内側にかぶせた。
苗箱もタテヨコにしたりワイヤーメッシュ使って3,4段に重ねる。
火鉢は一番下の段に移す。
やっとシート内が30℃ほどになってきた。ホッ。



【 発芽 】05/02
やっと出たーーーー◎
アナタを待ってたよーーー◎

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あ〜〜〜〜〜大変!
なんでこんな大変なのか…
でもでも、ほんとうに学ぶことも発見も多くておもしろい。
お米の姿が変わっていくことも楽しみだけど、案外 地味な土づくり・土いじりがいい。
土に触れていると、世界で起こってる問題が解決するんじゃないかと思えてくる。
こういう[地味な]作業にこそ何かあるだろうなぁ。

米づくり2021 つづく